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大阪高等裁判所 昭和60年(ネ)2100号 判決

控訴人

永山幸

井上二郎

被控訴人

三菱自動車工業株式会社

右代表者代表取締役

舘豊夫

右訴訟代理人弁護士

門間進

角源三

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴代理人は「原判決を取消す。被控訴人は控訴人に対し一九〇〇万円及びこれに対する昭和五七年四月二〇日から支払いずみまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め、被控訴代理人は主文同旨の判決を求めた。

当事者双方の主張、証拠の関係は、当審における証拠関係について、当審記録中証拠関係目録の記載を引用するほかは、原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する。

理由

当裁判所も控訴人の請求は理由がなく棄却すべきものと判断するが、その理由は、次に補正するほかは原判決理由説示のとおりであるから、これを引用する。

一  原判決二七枚目裏四行目の「証人小俣忠彦」の次に「、当審証人山下直二郎」を、同二八枚目裏四、五行目の「注意する」の次に「こと」を各加え、同九行目の「四八年」を「四五年」と改め、同末行の「同年」の前に「以上のじん肺の所見は、被控訴人の職場が粉じん作業でないため、産業医においてじん肺の疑いを持ったもののその確信をいだくまでに至らず経過を観察していたところ、」を加え、同二九枚目裏一行目の「一七日」を「二七日」と改め、同三行目の「原告」の前に「原審及び当審における」を加える。

二  同二九枚目裏七行目「原告」の前に「原審及び当審における」を加え、同末行の「隠しており」を「記載しておらず」と改める。

三  同三二枚目表六、七行目の「自然的増悪を超えて著しく急激に」を「自然的経過を超えて発症し、又は著明に」と、同三三枚目表三、四行目の「自然的増悪を超えて急激に」を「自然的経過を超えて発症させ、又は著明に」と各改め、同七行目の「できない。」の次に「なお、控訴人は、被控訴人は控訴人のじん肺が判明した後においても控訴人を就業させたことをもって、健康管理を怠ったとも主張するが、じん肺の管理区分「四」の決定通知があった場合を除き、療養させなければならないものではないことは、じん肺法二〇条の二以下の法条に照らし明らかであり、管理区分「四」の決定通知があった後は療養し、昭和五〇年一二月一五日以降の就業は、管理区分「三」の決定通知があったことによるものであり、かつ就業はいずれも定期検診等による産業医のもとに行われていたことは前示のとおりであるから、被控訴人において健康管理上の懈怠があったものということはできない。」を加える。

よって、右と同旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから棄却することとし、民訴法九五条 八九条に従い、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 乾達彦 裁判官 宮地英雄 裁判官 横山秀憲)

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